2014年、アメリカの経済制裁によってVisaカードやマスターカードが一時的に使えなくなったロシア。
そんなロシアが欧米諸国に対抗するために立ち上げた国策ブランド「MIR(ミール)」が、ロシア国内で徐々に利用率が高まりつつあるようです(引用元のロシア記事)。
- 2017年:1%程度
- 2018年:6%程度
下記は翻訳ソフトによる和訳となります。
2017年のミールカードのシェアが明らかになり、2018年には6%に増加すると予測しています。
これは主に政府機関や部門の従業員にカードが配布されているためです。2017年以降、ほぼすべてのオンラインストアとその他の支払いシステムはミールカードも受け入れます、と彼は言いました。
ロシアのミールカードについて:
まだVisaやMastercardのシェアは大きい:
但し、いくらミールカードの国内シェアが高まってきたとはいえ、国際ブランドであるVisaやMastercardにはかなわない状況な様子。
記事によるとVisaやMastercardのロシア国内におけるシェアは下記のような数値になるようなので、まだまだ国策としてのミール普及は道半ばといったところでしょうか。
- 2017年のVisa:56%
- 2018年のVisa:53%
- 2017年のMastercard:43%
- 2018年のMastercard:41%
VisaとMasterCardがロシアで最も人気のある支払い手段であると述べました。協会の予測によると、2018年の支払い手段としてのMasterCardのシェアは前年の43%に対して41%、Visaのシェアは56%に対して53%になります。
まだまだVisa&Mastercardがロシア国内のシェアを寡占してる状況となります。
※2022年よりはじまったロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシア国内でのVisaやMastercard決済は停止中。現在ではさらにMIRの比率が高まっていると推定されます。
JCBもロシアに進出済み:
ちなみに。
欧米諸国による経済制裁によって一時的にVisaやMastercardが使えなくなった際には、ロシアのプーチン大統領が日本の国際ブランドであるJCBを絶賛したことがあります。
- プーチン氏がJCBカード称賛 露も独自システム導入へ(記事は削除済み)
プーチン氏はこの日、上院議員らとモスクワ郊外の公邸で会談。
「国内向けサービスとして始まった日本のシステムは、今や200カ国で利用できる。我々がこれをやらない理由があるだろうか?ぜひ、やらねばならない」と述べた。
そういった政治的なお墨付きがあったためか、JCBは実際にロシアに進出。
現在は極東ロシアの大手金融機関であるFar Eastern BankとJCBカードの発行を2020年2月より行っているようです(MIR搭載カードの発行はまだ未定)。
以上、経済制裁によりVisaカード等が使えなくなったロシア。その対策で生まれたカードブランドMIR(ミール)の国内シェアがじわり上昇中…という話題でした。
参考リンク:
2014年に発生した経済制裁については下記記事を参考に。一時的ではありましたが、ロシア国内でVisaカードやMastercardが利用不能になりました。